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【準備物】
ドクターヘリで医師たちが災害現場に到着する場面。
飛行機墜落現場から少し離れた体育館に着くと、多数の負傷者がいる。
医師たちがトリアージを開始する。
負傷者の具合を見て、トリアージ・タグを付けていく。
ここでトリアージ・タグの実物を見せる。
何枚かあれば、列や班で回して考えさせる。
ここからNoteBookの画面を使って説明していく。
全員「重傷患者」と答える。
理由は「先に治療しないと命が危ないから」である。
ほとんどが「重傷患者」と答える。
数名が「救命不可能な患者」と言う。理由を聞くと、「助かる可能性はゼロではないから」と言う。
意見を認めつつ、「通常は、少しでも助かる可能性の大きい患者を優先的に治療します。『本当なら助かるかもしれない患者』を後回しにすることはできないのです」と説明する。
トリアージ=治療の優先順位
ここでトリアージの4段階のレベルについて説明する。
色画用紙を黒板に貼りながら、簡単に例を挙げながら説明する。
例を見せる。
※「東日本大震災」の場合、死亡者数にくらべて負傷者数が異常に少ない。つまり多くの被災者が「死亡」か「軽傷」という特殊な災害であったことを補足説明した。
全身やけどを負った患者に治療を施すべきか否かを迷う医師。
トリアージの判断は医師にとっても難しく、大きな葛藤であることがわかる。
多くの生徒は「トリアージを優先すべき」と答える。
が、少数の生徒は「それでも自分なら目の前の患者を治療するかもしれない」と言う。
茨城県の石巻赤十字病院は、震災時、その近辺で唯一治療が可能な病院であった。その当時の様子をブログから紹介する。
石巻赤十字病院は、連日、大勢の被災者らでごった返していた。運ばれてくる人たちには治療の優先順位を決めるトリアージタグが付けられていった。黒色のタグは死亡、または治療しても回復の見込みがないとされる。当時「黒」を担当したのが医師の日下潔さん(63)だ。日下さんは、院内の一室で床に横たえられた遺体を前に家族に死亡の確認をしなければならない。「なんで床なんかに寝かせるんだ」と語気荒く職員に詰め寄ってくる遺族。搬送された小学生の孫を低体温症で失った祖母は「お前がしっかりみていれば」と泣き叫びながら娘である母親の膝を何度もたたいた。そうした数々の光景が日下さんのまぶたに焼き付いて離れない。「黒を担当するということは、人生の最後の出口を見守ること」との思いをかみしめる。大切な家族を失った人の背中をそっと支える姿がそこにあった。
救命の優先順位を決めるというのは、何か差別みたいだけど、軽傷の患者を見ていて、まだ助かったはずの重傷患者が命を失ったら意味がないと思う。それに、治療の順番は、トリアージがなかったとしても、お医者さんが決めると思うので、トリアージはただそれを示すものだから、必要だと思います。その判断はけっこうつらいと思います。私は、将来医者になりたいけど、そんな判断ができるかというと自信がないです。
「トリアージ」で判断するのはすごく難しいことなんだと思いました。いろんな人がいるから、文句を言う人がいたり、そのまま無言の人もいる。お医者さんもすごく苦しいし、悲しい思いをしているのだと思いました。人を判断することはなかなかできないし、ケガなどを治して、もし失敗したら、患者さんに申し訳ないし、お医者さんは、すごくプレッシャーがかかるんだと思いました。
悪いことではないと思う。現場でも使われているそうだし、考え方もおかしくはないと思う。でも、実際に自分の家族が黒い札をつけられたらと思うとゾッとした。きっと赤にしてと言っていただろう。医者の立場になっても「黒」をつけるのは、僕なら無理だと思う。人の生死を決めるというのは、とても重たく、1人の人間が軽々しくできるものではないと思う。医者の人達はそういう面でも戦っているのだなと思った。
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