「理科で育てる新しい学力１ 身につけた知識・技能の活用」（新牧 賢三郎 監修、迫田 一弘 編著）を追試し、修正を加えたものである。
指導計画（全７時間）
第１時 金属はどのように温まっていくのか、金属製のスプーンを使った簡単な実験をする。また、金属・木・プラスチックの３つを使った簡単な実験をする。
第２時 金属の棒や金属の一部を熱すると、どのように温まっていくのかを予想する。実験の目的や準備物を確認する。
第３時 金属の棒や金属の板の一部を熱すると、どのように温まっていくのかを実験する。
第４時 水や空気の温まり方について、金属の温まり方と比較して考え、予想する。水を入れた試験管の下や上の方を熱して、水がどのように温まっていくのかを実験する。
第５時 水は温められると上の方に動いていくのかを確かめるために下の方から熱して、水の温まり方を実験して調べる。
第６時 部屋の上の方と下の方の温度を比べ、空気の温まり方を調べる。水や空気の温まり方は金属と異なることをまとめる。
知識 �� 金属は、熱せられた部分から順に温まる。�� 水や空気は、金属と異なり、熱せられた部分が移動して全体が温まる。
技能 �� アルコールランプを正しく使って、ものを温めることができる。�� 水や空気の温まり方について、調べる順序や実験の方法を工夫しながら調べ、結果を記録することができる。
この単元は、金属、水および空気を温めたり冷やしたりして、それらの変化の様子を調べ、金属、水および空気の性質についての考えを持つようにすることが学習の中心である。
子どもたちは、普段から温めること・熱することに日常生活の中で触れてはいるが、金属、水および空気の性質について、意識して見ている子はほとんどいない。
子どもたちが結果に驚く、過程に驚く実験を進めていくことで、それが金属、水および空気の性質によることを見つけ出すことができると考える。
【１時間目】
〈準備物〉 200ccビーカー、金属製のスプーン1本、熱湯、割り箸1本、ストロー1本
手を挙げて、人数を確認。
理由も聞いてみた。
《子どもたちの予想》
�� ２２人 理由：熱い水蒸気は上に上がるから。
�� ０人
�� ６人 理由：なんとなく。
お湯に一番近いから。
手を挙げて、人数を確認。
理由も聞いてみた。
《子どもたちの予想》
�� １８人 理由：熱い水蒸気は上に上がるから。
�� ４人 理由：なんとなく。
�� ６人 理由：なんとなく。
お湯に一番近いから。（実験１と同じ児童）
子どもたちの意見は、とてもおもしろい。
手を挙げて、人数を確認。
理由も聞いてみた。
《子どもたちの予想》
金属のスプーン ６人 理由：金属だから。
割り箸 １９人 理由：熱い水蒸気が一番しみこみやすいから
ストロー ３人 理由：なんとなく。
これまた、子どもたちの意見は、おもしろい。理由を聞いて、納得する児童もいた。
準備をして、実験１・２を行った。
結果、班ごとに発表。
実験１・２では、��であることが分かり、お湯に一番近いところが一番熱くなることを確認した。
Ｃ：お湯に一番近いところ。
実験３を行う。
結果、班ごとに発表。
実験３では、スプーンであることが分かった。
Ｃ：金属
Ｃ：木
Ｃ：プラスチック
Ｃ：金属
【反省】
・ 予想の理由を聞くところでは、一度ノートに書かせてから発言させるべきであった。
・ 予想の理由では、討論をさせると良かったが、時間がなかった。
【２時間目】
理科ワークで金属の棒、金属の板に線と矢印を書き入れ、予想を立てた。「金属の棒が斜めになっているものが難しい。」と言いながら、予想を立てている児童が数名いた。周りでは、「順番に考えればいいんじゃ？」と話し合っていた。
その後、レポートに実験の目的や準備物を書かせて、班ごとに持ってくるように指示。
【３時間目】
〈準備物〉 金属の棒、金属の板（銅版）アルコールランプ、マッチ、ろう、鉄製スタンド、軍手
金属の棒と板にろうをたっぷり塗りましょう。
声を出しながらやるといいよと言うと、みんな「うおー。」と声を出しながらろうを塗っていた。
実験がスムーズに行えるようにするため、順番を示した。
実験開始。結果は、一目瞭然！子どもたちは、歓声を上げながら実験を見ていた。
実験終了後、後片付け。終わったところから結果を記入。
最後に一辺7cm程の小さな銅版にサーモテープを張って、一部を熱する演示実験。
青色だったサーモテープが熱せられたところから順番にピンク色へ。
子どもたちから歓声が上がる。
考察を書き、「金属は熱せられたところから順番に温まる」ことを確認。
考察を書き終えた児童が、サーモテープを見て「また青色に戻った！」と叫ぶとみんな「すごい！」とうれしそうであった。
【反省】
・ やはり金属の棒と金属の板を一緒に実験させるのは、やや困難。迫田氏のように金属の棒で予想を立てて実験で1時間。金属の板で予想を立てて実験で1時間の方が良かった。
・ 予想を立てさせてから、理由を聞く時間が取れなかった。
・
【４時間目】
〈準備物〉 試験管、アルコールランプ、マッチ、サーモテープ
手を挙げて、人数を確認。
（今回、実験をすぐにさせたかったため、理由を聞かなかった）
《子どもたちの予想》
�� ２２人
�� ０人
�� ６人
【５時間目】
〈準備物〉 ビーカー、三脚、アルコールランプ、マッチ、味噌
前回の学習で、温められて温度が高くなった水は、上の方に動いていくことを学習した。それを確認するために、味噌を使用する。
まず、私が簡単な絵を描き、実験器具の名前を確認した。（さんはい で全員で答える。）
・ ビーカー
・ 三脚
・ アルコールランプ
次に、実験の目的、準備物をレポートに書いた。終わった人から、予想を立てさせた。
味噌は、ビーカーの隅にいれ、少しずつ水を入れる。
この味噌が、どのように動いていくかを見る。
アルコールランプを味噌の下あたりにあててビーカーを熱する。
水が温まるにつれて、どのように味噌が動いていくのかを確認した。
結果を、板書させた。
味噌がどうなったか、手で表してごらん。
結果、味噌は熱したところから上の方に上がり、回るように動いていったことを確認。
味噌と温める場所が反対になったときは、どう動くか手で表してごらん。
反対回りに動くことを確認。
【反省】
・ 迫田氏は最後に、「対流」と言葉を使って確認していた。「対流」という言葉教えるべきだ。
【６時間目】
学習発表会・なわとび記録会に時間を取られたため、簡単な実験だけにしてまとめをした。
・ 上の方に上がる。
・ 上の方に上がって、回るように動く。
分からない児童が7名いたので、理科ワークを振り返るように指示。分かって書き出す。
列指名。（４名とも上に動く。）
それ以外の人？と聞くと誰もいなかった。
今度は、いすから下りて床の近くに手を当ててみましょう。
どちらが温かいですか？
Ｃ：上（全員一致）
Ｃ：水（全員一致）
子どもたちは、円を描くように手を回した。
その後、理科ワークでまとめをした。
【反省】
・ 電熱器で空気を暖め、線香の煙を近づける実験をすべき。
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