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【教材文】
子(し)曰(いは)く、「学びて思はざれば則(すなは)ち罔(くら)し。思ひて学ばざれば則ち殆(あやふ)し。」と。(論語「為政」)
まず、教材文の音読、暗唱、視写を行う。
【意味】
(孔子)先生がおっしゃるには、「知識を学んでも、自分でよく考えて研究しないと、理解があやふやになる。(また、)自分の考えだけに頼って、広く先人の意見や知識に学ばないと、(独断に陥って)危険である。」と。
板書(実際は縦書き)
(○)学 (×)思 → あやふや (○)思 (×)学 → 危険
※板書では、字を○で囲んだり、字に×をつけたりしている。
ここからPowerPointの画面で進める。
「思」が重要である。
「学」が重要である。
簡単に聞いていく。
「両方」という意見も出る。
画面を見せながら、おおむね次のような説明をしていく。
ゴルフの場合、まずは立ち方やスイングを習う。ドライバーやアプローチを習う。それで、その通りにやっていれば一応はできるようになる。しかし、伸びる人は、考える人だ。同じアプローチでも、場所によって打ち方や道具を変えなければならない。それは、自分の経験をもって、自分の頭で考えるしかない。また、この前はここでバンカーに入れてしまったから、今日はこういうふうに打ってみよう、そう考えて実践することによって、前回よりも成長することができるのである。
だから「思うこと」が重要だと言えます。
サッカー部に所属するA君は、自分なりのやり方で黙々と練習していた。とても練習熱心なのだが、自分なりの練習方法に自信がありすぎて、監督やコーチや仲間からのアドバイスを素直に聞き入れることができない。その結果、なかなか上達することができないのである。
だから「学ぶこと」が重要だと言えます。
受験勉強で日本史の年号をイヤになるほど覚えた。「1600年、関が原の戦い」などがそうだ。しかし、年号を覚えることよりも、その与えられた情報から、「どうして関が原の戦いは起こったのだろうか」、「実際に関が原でどんなことが行われたのだろうか」、「徳川家康はどうやって勝ったのだろうか」…そういったことを考えることが、真に関が原の戦いを理解したということになるのである。
だから「思うこと」が重要だと言えます。
昔、ある農村に優秀な少年がいた。非常に数学が好きで、小学校を終えたあと、農業に従事しながら独学で勉強を続けていた。十年後、数学上の大発見をしたと、町の中学の教師に報告してきた。何とそれは二次方程式の解き方であった。中学へ入って習えば一時間ですむことなのだ。
だから「学ぶこと」が重要だと言えます。
「学」が重要。テニスをする時、まず教えを受け基本をかためることが重要である。教えを受けなければ、どうすればいいか全く分からないが、基本を知ることにより、試合の仕方などが分かる。それらを分かったうえで、自分の攻め方などを考えることができるから。
「思」の方が重要だ。数学では、公式というものがあり、それを覚えておけば、大体のテストの問題は解くことができる。しかし応用問題や、自分の新たな発見には、なぜそういう公式になるのかということを考えなければならない。このようなことで生きていく中で自分らしさというのを保つには、思わなければならないということになる。
「思」が重要。例えば数学の問題。数学の応用問題などでいくらそのことに対する知識があっても「どこに補助線を引けばいいのか」「この証明はどうすればいいのか」ということを考えない限り、その問題は解けないし、数学の本質をつかめない。また、知識は能の性質上忘れることがあるが、その知識の本質や背景を知ろうとすることで忘れにくくなる。例えば歴史。歴史に興味を持つ人は、その本質が好きだからである。「どうしてこの時、戦争をしたのか」「戦争に参加した兵士はどういう思いだったのか」等。
つまり「思」というのは物事の本質を知り、いろいろなことに興味を持つという人間の追求心なのである。今、大事なのは自分らしさを保ち、それを社会に生かしていくことである。
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