板書 虫の夜の星空に浮く地球かな 大峯あきら
その後、追い読み、一斉読みで数回読む。
・虫
・星空
・地球
・月
挙手で聞くと「見えている」が少数、「見えていない」が多数であった。
理由をノートに書かせ、発表させた。
(見えている)
・虫は蛍である。だから見えている。
(見えていない)
・作者は星空を見上げている。だから虫は見ていない。
・あたりは暗くて虫は見えない。
ノートに書かせ、持ってこさせた。
・「虫」と「星空」
・「虫」と「地球」
・「星空」と「地球」
3者(虫、星空、地球)が三角関係のように、それぞれ対比になり得ることを板書で説明した。
中に、「虫の鳴き声があたりに響いている様子」と「星たちが夜空にまたたいている様子」という、「状況」の対比を書いた生徒がいたので、発表させて大いにほめた。
鑑賞文を配る。
前回と同じく、400字詰め原稿用紙の右側(200字)に教師が書いた鑑賞文を載せてある。
これを参考にして、自分なりの鑑賞文を書くように指示する。
生徒の鑑賞文
もうずっと前に陽は沈み、月や星たちがきらきらと輝き始めた秋の夜。作者はたんぼ道をとぼとぼ歩いていた。と、色んな虫たちが合唱しているかのように鳴き始めた。ふと空を見ると、黒い海の中に青白い光がいくつもあった。それらの光景に感動し、自分は一人ではなく、みんなによって生かされているのだと思った。
「虫」と「地球」とが対比され、命の大きさ、広さをより強調している。
秋の夜、作者は外に出て蛍の飛びかっているところを眺めている。さながら星空のようだと思っていると、空を覆っていた雲がすっかり晴れ、満天の星空があらわれたような情景が読みとれる。
作者は、蛍と星空の二つを対比し、「虫」と「地球」、つまり生命の大きさの違いに触れ、自分達は大きな地球の中で生きている小さな生命に過ぎないのだという、生命の儚さを強調している。
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