板書 せつせつと眼まで濡らして髪洗ふ 野澤節子
その後、追い読み、一斉読みで数回読む。
「せつせつと」「濡らして」「髪洗う」が出る。
「髪洗う」であることを教える。
「夏」
髪を洗っている。
(俳句はほとんど作者=話者なので、ここでは特に区別せずに扱った。)
ノートに書かせて持ってこさせ、板書させる。
・暑いのでさっぱりしたい(多数)
・悲しい気持ち(2名)
この句のポイントは「せつせつと」という言葉です。
辞書を調べさせた。
・心に強くせまる様子
漢字で書くと「切々と」であることも確認する。
列指名で聞いた。
ほとんどが「悲しい気持ち」という答えであった。
鑑賞文を配る。
前回と同じく、400字詰め原稿用紙の右側(200字)に教師が書いた鑑賞文を載せてある。
これを参考にして、自分なりの鑑賞文を書くように指示する。
生徒の鑑賞文
作者は、戦争の時代の人で、自分は助かったが家族はみんな死んでしまった。保護された場所で髪を洗っている時、家族のことを思い出し、目から流れる水も気にならないほど、家族のことを思い続けているのである。(以下略)
毎日ふろにも入らず仕事も休み、病気の夫のいる病院で夫を側で見守っていた。だがついに夫は死んでしまう。一人静かな家に帰り、ふろに何日も入っていないことに気づく。久しぶりに髪を洗おうとすると、シャワーも浴びていないのに顔がぬれていることに気づく。ふろに入ってさっぱりするものの、心はまだどんよりくもったままである。
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