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主な音読練習
など。
教材文が長く、それほど難しい語句もないので、範読はしない。
約1ページごとに区切りながら、音読の種類を変えて練習していく。
交替読みで1回通読する。
本文に「栄養失調です」とある。
ノートに意見を書かせる。
書けたら持ってこさせてチェック。
人数は、ほぼ半々に分かれた。
「僕のせい」派
「僕のせいではない」派
指名なしで全員に発表させる。
途中、「メモできた人?」と確認を入れ、全員にメモを取らせる。
討論をする時間はなかった。
ほかの人の意見を聞いて考えたことをノートにまとめておくことを宿題にした。
母が、大きくなっていたんだね、とヒロユキのひざを曲げて棺に入れました。
という部分を読み、線を引く。
「ヒロユキを棺に入れる時」という意見がほとんどであった。
「ヒロユキを棺に入れる前ですか? 入れた後ですか?」と聞くと、「入れる前」と言う。そこで、
ヒロユキが棺に入らない ↓ 「大きくなっていたんだね」 ↓ ヒロユキのひざを曲げて棺に入れた
という流れを確認した。
「今日の授業を振り返って、授業全体をまとめながら書きなさい」と指示し、発問の答えを、授業のまとめの作文として書かせた。
生徒の作文
ヒロユキが死んだ時は、ギリギリがまんしていた。あまり食べさせていなかったから成長していないと思っていたのに、少し大きくなっていて、でも体重は変わっていなくて、もっと食べさせてあげれてたら…と思ったから。忙しかったし、体重も変わっていなかったから気づかなかったけれど、この棺に入れようとして入らなかった時、子どもの成長を実感したから。そして、お父さんにヒロユキが生まれてから顔も見せてあげられず死んでしまい、また、ヒロユキも一度も父の顔を見ずに死んでいったことに申し訳ない気持ちになったから。「僕」がほしがっていた弟なのに、生まれて間もなく死んでしまい、「僕」にも悲しい思いをさせてしまったと思ったから。
母はヒロユキの成長が、棺に入れようとした時まで分からなかったのがくやしかったんだと思う。理由は疎開する前でも、疎開してからも、ヒロユキに満足に栄養を採らすことができなかったし、ヒロユキを世話している時も、栄養が十分に採れないため体重が増えず、ヒロユキの成長を知る事ができなかったからだ。なので、ヒロユキにあやまりたい気持ちや自分へのくやしさのために泣いたんだと思う。
母が疎開先を探すため、「僕」たちを連れて親戚を訪ねる場面を読む。
そのときの顔を、僕は今でも忘れません。
という部分に線を引く。
僕たち子供を必死で守ってくれる母の顔は、美しいです。
書けた生徒から板書させた。
最後に教師の考えを説明したが、自分でもよくまとまっていなかった。
取り上げた場面は以下である。
あまり空襲がひどくなってきたので、母は疎開しようと言いだしました。それである日、祖母と四歳の妹に留守番を頼んで、母が弟をおんぶして僕と三人で、しんせきのいる田舎へ出かけました。ところが、しんせきの人は、はるばる出かけてきた母と弟と僕を見るなり、うちに食べ物はないと言いました。僕たちは食べ物をもらいに行ったのではなかったのです。引っ越しの相談に行ったのに。母はそれを聞くなり、僕に帰ろうと言って、くるりと後ろを向いて帰りました。
そのときの顔を、僕は今でも忘れません。強い顔でした。でも悲しい悲しい顔でした。僕はあんなに美しい顔を見たことはありません。僕たち子供を必死で守ってくれる母の顔は、美しいです。
ヒロユキが亡くなった場面を読む。
暗い電気の下で、小さな小さな口に綿にふくませた水を飲ませた夜を、僕は忘れられません。
この水を「末期の水」ということを簡単に説明する。
最後の一文を読む。
僕はひもじかったことと、弟の死は一生忘れません。
「ひもじい」の意味を簡単に確認する。
前者は「忘れることができない」、後者は「意識的に忘れないようにする」とまとめた。
などを含んだ答えが出る。
題名を読む。
大人になれなかった弟たちに……
後者のように、作者のメッセージを読み取った答えを発表した生徒をほめた。
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