村上睦/人と「もの」との付き合い方（３）

人と「もの」との付き合い方（３）

ＴＯＳＳ福井　村上睦

概要: 教科書の資料を読み、付箋を利用して文章の組み立てを理解させる。付箋を使うことで、文章全体の構造を視覚的に理解することができる。（国語）

資料を読み、文章の組み立てを付箋でまとめていく。

指示　教科書Ｐ６９。「ごみ問題ってなあに」を読みます。全員起立。読んだら座りなさい。

指示　読み終わった人から、付箋を取りに来なさい。

１人５枚ずつ、付箋を配る。

指示　ノートに付箋を並べて貼りなさい。

指示　１段落を全員で読みます。「ごみってなんでしょう」から、さんはい。

１段落を一斉音読。

説明　この段落では、「ごみとは何か？」という問いかけを読者にしています。こういう問いかけを「問題提起」と言います。

指示　１枚目の付箋に、次のように書きなさい。

①

ごみとは何か？

（問題提起）

発問　次、２・３・４段落にはどんなことが書かれていますか？

「どうしたらごみになるか」などの意見が出る。
ここでは、問答しながらテンポ良く進めていく。

説明　４段落の終わりの方に、「わたしたちが『不要』とみなすことで、ごみになります。」とあります。これが２・３・４段落で言っていることです。こういうのを「定義」と言います。

指示　２枚目の付箋に書きなさい。

②

わたしたちが不要とみなすことでごみになる。

（定義）

発問　６・７段落は、どんなことが書いてありますか？

６段落は「江戸時代の修理・再生業」のこと。
７段落は「マラウイの子どもたち」のこと。
読み取りがメインの活動ではないので、簡単にやりとりしながらこちらで確定していく。

説明　こういうのを「具体例」と言います。

③

江戸時代の修理・再生業

マラウイの子どもたち

（具体例）

指示　８段落を一文リレー読みします。

まとめの段落である。
全員にしっかり読んでもらいたいのでリレー読みをする。

説明　江戸時代やマラウイの人たちの生活からは、「自然に負担をかけずに、その中でくらす豊かさが感じられます。」とあります。

④

（江戸時代・マラウイ）

自然に負担をかけずにくらす豊かさ。

説明　これに対して、今の日本では「物を大切にしようとする心が失われようとしているように思われてなりません。」とあります。

説明　江戸時代やマラウイと今の日本をくらべています。こういうのを「対比」と言います。

④

（江戸時代・マラウイ）

自然に負担をかけずにくらす豊かさ。

↑（対比）

↓

（今の日本）

物を大切にする心が失われている。

指示　９段落を全員で読みます。さんはい。

「今、日本人は、１日に１人平均１キログラムのごみを出すといわれています。１年で３６０キログラム以上です。」

指示　そこまで。付箋に書きなさい。

⑤

日本人は１日に１人平均１キログラムのごみを出す。

発問　この段落は、今までの段落とちがう特徴があります。何ですか？

「数字が入っている」という意見が出る。
「その通り」とほめて、付箋に（数字）と書き加えさせる。

付箋を入れ替えて組み立てを変えてみる。

黒板は（子どものノートの付箋も）次のようになっている。

①

ごみとは何か？

（問題提起）

②

わたしたちが不要とみなすことでごみになる。

（定義）

③

江戸時代の修理・再生業

マラウイの子どもたち

（具体例）

④

（江戸時代・マラウイ）

自然に負担をかけずにくらす豊かさ。

↑（対比）

↓

（今の日本）

物を大切にする心が失われている。

⑤

日本人は１日に１人平均１キログラムのごみを出す。（数字）

説明　資料では、「ごみとは何か？」という問題提起から始めています。これを、たとえば「日本人が１日に出すごみの量」という数字から話を始めてみる。あるいは、「江戸時代にはこんな商売がありました」という具体例から始めてみる。そうすると、文章の組み立てが変わってきます。

ここで終了の時間になった。

説明　次回は、付箋を動かして文章の組み立てをいろいろ変えてみます。

村上睦＞人と「もの」との付き合い方（３）

最終更新時間：2010年04月29日 16時14分35秒

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