村上睦/にじの見える橋 - TOSS福井実践論文作成Wiki

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TOSSランド No.1355173

にじの見える橋

ＴＯＳＳ福井　村上睦

概要: 中１光村『にじの見える橋』（杉みき子）の実践。気持ちの変化を問う発問で意見が真っ二つに分かれる。最後に要約指導を行い、全文要約もできた。（ＴＯＳＳ福井推薦）

にじの見える橋（１）
にじの見える橋（２）
にじの見える橋（３）

にじの見える橋（１）

ＴＯＳＳ福井　村上睦

概要: 作業を通して、少年の気持ちが最初と最後とで変化していることを理解させる。

（前時までに授業や宿題で音読を何度もさせている。）

少年の気持ちの変化を読み取る

教科書を開いて今から言う言葉を囲みなさい。２０ページ６行目の「考え事」。

この「考え事」の内容はどんなものですか。ノートに①から④まで番号をつけて、４つ書きなさい。

①テストの成績が悪かった。
②母親が課外活動をやめろと言う。
③親しかった友達と仲たがいをした。
④好きなＣＤを買うこづかいが足りない。

教科書を開いて今から言う言葉を囲みなさい。

２１ページ５行目。「少年は小さく足踏みした」の「足踏み」。

２４ページ１０行目。「友達が上ってくるのを足踏みしながら待った」の「足踏み」。

２つの「足踏み」が出てきます。それぞれ、少年はどんな気持ちで「足踏み」しているのですか。最初の足踏みをＡ、最後の足踏みをＢとして、それぞれノートに書きなさい。

（Ａ）
・いらいらしている
・もやもやした気持ち
（Ｂ）
・うれしい気持ち
・友達が来るのを楽しみにしている

同じ足踏みという行動ですが、少年の気持ちが最初と最後とで変化しているのが分かります。次の時間は、少年の気持ちがいつ変化したのかを考えます。

にじの見える橋（２）

ＴＯＳＳ福井　村上睦

概要: 少年の気持ちが変化した場所を考える。意見が真っ二つに分かれるので、討論もできる。

少年の気持ちがガラリと変わったのはどこですか。

教科書に線を引きなさい。書けたら見せに来ます。

子どもたちの意見は、ほぼ次の３つに分かれる。

Ｐ２１Ｌ１２「思わず振り返って、子供たちがまっすぐに指さす北の空を見上げると、ああ、確かににじだ。」
Ｐ２１Ｌ１６「少年は、自分でも思いがけない衝動に駆られて、辺りを見回した。」
Ｐ２３Ｌ１７「少年はふと、初めて、自分のことを恵まれたものに感じた。」

最初の２つは、ほとんど同じ時間で起こっていることなので、教師の方でまとめて１つにする。

（Ａ）Ｐ２１Ｌ１６「少年は、自分でも思いがけない衝動に駆られて、辺りを見回した。」
（Ｂ）Ｐ２３Ｌ１７「少年はふと、初めて、自分のことを恵まれたものに感じた。」

少年の気持ちがガラリと変わったのは、Ａ、Ｂのどちらですか。

ノートに意見を書いて、理由も書きなさい。

全員が書けたところで指名なし発表。

（Ａ派）

「衝動」という言葉があり、感情的に動いているから。
Ａの前はイライラしていたが、そのあとはイライラがなくなっているから。
本能的に行動しているから。
少年にとっても、自分でも思いがけないことだったから。

（Ｂ派）

「初めて自分のことを恵まれたものに感じた」とあるから。
それまでは自分を責めていたのに、恵まれたものに感じているから。
「初めて」とあるから、それまでは思っていなかったから。
Ａの「思いがけない衝動」というのは、少年の気持ちではないと思うから。

Ａ派、Ｂ派とも、良い意見が出るたびに拍手が起きた。
途中、反対意見を言いたい生徒がいたが、全員発表するまで待たせた。
少し時間をオーバーして、全員発表させて終了した。

補足: 今回は「全員発表」を目的としたため、途中、討論になりそうな展開だったが、討論にはしなかった。時間を多めにとれば、討論の練習もできるであろう。

にじの見える橋（３）

ＴＯＳＳ福井　村上睦

概要: 全文を２０字以内で要約する。向山型要約指導をしたあとにやると、ほとんど同じ要約文になる。

向山型要約指導

『桃太郎』の話を使った向山型要約指導をおこなう。

全文要約

『桃太郎』と同じように、『にじの見える橋』を２０字以内で要約しなさい。

一番大事なキーワードは「少年」です。あとのキーワードは自分で考えなさい。

書けたら持ってこさせ、評定する。

・残り２つのキーワードは「にじ」と「恵まれたもの」
・どちらか抜けていればマイナス２点。
・キーワードが３つとも入っていて「少年」で終わっていれば満点。
・日本語がおかしいものはマイナス１点～２点。
・「少年」で終わっていないものは５点満点で評定。
・字数オーバーは書き直し。

何人目かに満点が出る。
黙って「１０点」をつけてやる。
満点が５～６名出たところで、満点の生徒に板書させる。

・にじを見て恵まれていると感じた少年。（１８字）

板書された答えは、ほとんど同じになる。

このように、原則をきちんとふまえて要約すると、ほとんど同じ要約文ができるのです。

国語の勉強は答えがはっきりしない、正解がいろいろある、と思っている人もいるかもしれませんが、こんなふうにやり方を守って、原則通りにやれば、正解ははっきり決まるのです。

村上睦＞にじの見える橋

最終更新時間：2010年05月03日 07時09分30秒

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