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ニューズウィークという雑誌があります。
毎年「世界が尊敬する日本人100人」という特集をしています。
有名な日本人に並んで、向山恵理子さんという人が入っています。
ライブ映像(PV)を見せる。
恵理子さんは、ニャティティという楽器の演奏者です。
ニャティティはアフリカ、ケニアのルオー族に伝わる伝統楽器です。
恵理子さんは、ニャティティを演奏する世界初の日本人なのです。
恵理子さんは、24歳の時にニャティティの修業のためにケニアに行きました。
(GoogleEarthで日本からケニアに飛び、位置関係と距離感をつかませる。)
日本から飛行機と車と徒歩で30時間以上かかります。
恵理子さんはこの村で8ヶ月間、師匠の家に住み込んで生活しました。
現地では「アニャンゴ」という愛称で呼ばれました。
アニャンゴとはルオー語で「午前中に生まれた女の子」という意味です。
意見を出させながら、必要に応じて以下の説明をする。
高校生のころバンド活動をしていたアニャンゴは、「プロの歌い手になりたい」という夢を持っていました。
そのために、こんな努力をしていました。
しかし、「どんな歌い手になりたいのか」「どんな歌を歌いたいのか」ということは、まだ漠然としていました。
22歳の時にアニャンゴは、たまたまケニアの音楽ライブを見に行きました。
その時に、こう思いました。
聞いた瞬間、太鼓の強烈なビートにノックアウトされた。次から次へと激しく変化するリズム。そう、私はあの時きっと、ケニアの音楽にひとめぼれしてしまったのだ。
そして、その日のうちにそのバンドのメンバーになってしまいます。
また、ケニアで本場のトップダンサーの踊りを見た時、アニャンゴは思いました。
私もいつか炎のような歌を歌いたい。狼の歌を歌いたい。人を震え上がらせるほどにすごみのある歌を歌いたい。と、心の底から思ったのだった。
最初、カラプール村の師匠に弟子入りをお願いした時には、こう言われました。
「なんで外国人がニャティティを習いたいのだ」
「女がニャティティを習いたいなんて言い出す意味が分からない」
なぜなら、ニャティティはルオー族に伝わる伝統楽器で、ルオー族の中でも選ばれた男性にしか弾くことを許されていない楽器だからです。
日本から来た若い女性が「ニャティティを教えてほしい」というのは、たとえて言うなら「日本の相撲部屋にケニアの女性が弟子入りする」というくらい、ありえないことなのです。
それでもアニャンゴは、村で一緒に生活するうちに、少しずつニャティティの演奏を教えてもらえるようになりました。
しかし、師匠は手取り足取り教えてくれるわけではありません。
ニャティティは、ガラ(鉄の鈴)を右足首につけ,オドゥオンゴ(鉄の輪)を右足親指につけ、それをニャティティにゴツゴツと当ててリズムを取りながら、同時に8本の弦を指で弾いて歌います。
師匠は、アニャンゴが生まれて初めて聞くニャティティの曲とルオー語の歌を超高速で2、3回やってみせて、「弾きなさい」と言うだけ。あとはどこかへ行ってしまって、自分で弾けるようになるまで自主練習するしかないのです。
アニャンゴはこう思いました。
ここで引き下がるわけにはいかない。へこたれるわけにはいかない。MDに録音して、自主練習をして、絶対にできるようになってみせる。
そして、自分で工夫してニャティティの楽譜を作ったり、演奏法をノートに書いたりしながら、覚えました。
師匠が教えてくれるのは、週に1回か2回程度。
それも、「今日は牛のことが気がかりで頭がいっぱいだ」とか「今日はニャティティの精霊がやってこないから弾いてはいけない」などと言って、気が向いた時しか教えてくれません。
アニャンゴはこう言っています。
本物の名人に弟子入りして芸事を習うとは、こういうことなんだ。
修業を始めて8ヶ月。
いよいよニャティティ奏者として認められるかどうかを決める認定試験が行われました。
ところが、アニャンゴの演奏が始まってしばらくすると、突然,師匠が演奏を中断させました。
師匠は、聞いている村人たちにこう言いました。
ここから先,私の弟子の演奏を聞きたければ,金を払え!
アニャンゴがプロのニャティティ奏者として認められた瞬間でした。
その時の演奏がケニアのラジオ番組で放送されたのをきっかけに、ケニアでアニャンゴブームが巻き起こりました。
そして国連が主催するSTOPエイズコンサートに出演を依頼されました。
ホマベイという小さな町で行われたコンサート。
5万人の観客が集まりました。
「大統領でも来ない限りありえない」という騒ぎでした。
ケニアの友人はこんなふうに言いました。
ケニアにも素晴らしい音楽と文化がある。アニャンゴはそれに気づかせてくれた。だからみんな何十時間もかけてアニャンゴに会いに来たんだよ。
アニャンゴは現在、日本とケニアの文化親善大使として、様々な活動を各地で行っています。
また、ケニアの伝統音楽を知ってもらうためのライブ活動を続けています。
さて、ここで自分たちのことを振り返ってみましょう。
(5月に書いた自分たちの夢や目標を思い出させる。)
・あきらめないこと
・一生懸命やること
・時間を有効に使うこと
・感謝の気持ちを忘れないこと
アニャンゴは本の中で「夢をつかむ法則」を紹介しています。
(本のページをコピーした資料を配る。)
夢をつかむ第一歩は、あのような素敵な人になりたい、自分はこうなりたい、というあこがれを持つこと。(抜粋)
準備や計画ができるまで待つ、なんて言っていたら、いつまでたっても一歩を踏み出せなくなる。夢をつかみたいのなら、不完全でもいいから、その夢に向かって『今すぐ』最初の一歩を踏み出そう。(抜粋)
いつも笑顔で、夢に向かって、今できる努力を積み重ねていくしかないんだ。自分を信じて、覚悟を決めて、努力し続けていれば、夢の扉が少しずつ開いてくる。百回転んでも、千回倒れても立ち上がるんだよ。(抜粋)
線を引いた箇所を発表させる。
使用コンテンツ(SMART Notebook・Google Earth使用)をご希望の方は村上睦までメールにてご連絡下さい。
※ライブ映像(PV)は、YouTubeで公開されているものをダウンロードして使用しました。
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