- 概要
- 第10時。最終的なまとめを原稿用紙に清書する。
原稿用紙を配り、題名「メロスは勇者か」、名前を書かせる。
時間いっぱい書かせて、残りは宿題とした。
- 生徒の作文
- メロスは勇者ではないと思う。まず、メロスは何のために走っているのかについて考えてみると、P169L19から「私は信頼に報いなければならぬ。」ということが読みとれる。それは、P171L11にも書いてあるように、メロスはセリヌンティウスの命を助けるために走っているわけではないと考える。自分の親友を、王に差し出しているという時点で、勇者とは言いがたい。それに、友の命は問題ではないと言っているので、最初から助ける気になかったのだろう。お互いを信じているため、それを裏切らないようにするために走っているだけなのだ。また、それは、間に合わなかった際は、自分が走っていたことをセリヌンティウスに伝えてくれれば、彼は理解してくれる、そこまでの信頼があったと推測できる。このように、メロスは友との信頼に報いるために走っているだけで、助けるために走っているのではないのだ。ほかにも、自分のために走っているという意見もある。だが、自分は殺されるというのは分かっているので、自分のために走るのなら、助かりたいのだからP171L16「頭は空っぽ」になるまで走らない。
また、メロスは一度、あきらめようとしている。一度あきらめてしまったら、勇者とはいえないと思う。
そして、P168L17「遅れたら、身代わりを殺して、私を助けてくれると約束した。」と書いてある。これは、ただの悪い夢なのかもしれない。だが私は、これがメロスの本心であって、自分が助かりたいという気持ちが読みとれる。
P170L3「真の勇者」というのは、自分自身を勇気づけるために自分で言っているだけで、事実ではない。また、P174L11「勇者」は、かわいい娘さんは、メロスに好意をもち、メロスが勇者だという印象をもっただけだと考えられる。それに、たまたまP174L7「緋のマント」だったことで、勇者のように見えただけだと推測できる。
このようなことから、一度あきらめたメロスは、あのままあきらめていたら、友を救うことができなかった。自分の言動に責任をもてていない人間なのである。なのでメロスは勇者ではないと思う。
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